メガネの軽量化・・・意外なところで差が出ます。

スタッフ今堀です。

 

先日、女性のお客様がメガネを作りに来られ、

スタッフ長尾が対応させていただきました。

僕は隣でお話をお聞きしていたのですが、

「今使っているメガネは、掛けていると鼻がすごく痛くなって・・・

軽いメガネが欲しいの。」

そういうご希望でした。(かなり切実でした。)

 

お客様としては、当然、軽いフレームをご希望されたのですが、

そこで、スタッフ長尾が提案したのは・・・

軽いフレーム・・・・

 

ではなく・・・・

 

レンズの軽量化

 

でした。

 

というのも、こちらのお客様、

少し強めの遠視の方で、

今お使いのメガネのレンズはかなり重量があったからです。

強度近視の方もレンズは重くなることが多いですが、

遠視の方は凸レンズを使用するので、レンズの重量は結構重くなります。

 

でも、度数を変えずにレンズの重さなんて変えられないんじゃないの?

そう思いますよね。

でも、ちょっとしたことに気を付けると、

レンズの重量は大きく変わるんです。

 

それはフレームの選び方です。

(たんに軽いフレームにするということではありません。)

 

 

まずは、フレームの大きさ

同じ度数でも、選ぶフレームの大きさによって

仕上がるレンズの重量がだいぶ違います。

 

上の写真の左側のフレームが、

今回のお客様が選ばれたフレームです。

見てもらうと分かるかと思いますが、かなり小さめのフレームです。

 

レンズの重量の差が分かりやすいように

極端に大きいフレーム(写真右)とでレンズの重量を比較してみます。

 

 

度数、左右の瞳孔間距離なども今回のお客様とほぼ同じ値です。

このフレームで普通にメガネを作ると、

右レンズの重量は8.5gとなります。

だいぶ重いですね。

ちなみにこれは片眼のレンズのみの重量なので、

仮にもし左右が同じ度数だとしたら、これの倍の重さになります。

 

 

では、小さい方のお客様が選ばれたフレームはどうでしょう?

全く同じ条件で作っても、4.9gとだいぶ軽くなります。

 

昔、大きなフレームが流行っていたということもあって、

高齢のお客様の中には、

先ほどの写真の右側のフレームのように

極端に大きなフレームを希望される方がけっこうおられます。

顔に対して極端に小さいフレームは駄目ですが、

必要以上に大きなフレームを選んでしまうと、

度数によってはレンズの重量に大きく影響してしまいます。

 

小さめのフレームを選ぶだけでなく、

これに薄型加工という特殊な加工を加えます。

これは、フレームの形状データをレンズメーカーに送り、

その形状に合わせて最も薄くなるように

レンズをあらかじめ削って送ってくれるというサービスです。

(別途加工料金が必要となります。)

 

 

上が薄型加工をした時のレンズの重量です。

かなり軽量化されるのがお分かりいただけるかと思います。

 

そして、フレームのタイプも大事です。

レンズ部分全体にフチがあるフルリムタイプにすれば、

より薄く仕上げることができます。

 

レンズの下側だけフチがないハーフリムタイプ(写真)は、

レンズに溝を掘ってナイロンの糸を入れて固定するので、

溝を掘れるだけのレンズの厚みが必要になります。

(薄くし過ぎるとレンズが割れてしまうおそれがあります。)

今回のお客様もこのタイプのフレームを使用されていたので、

フルリムタイプへの変更をご提案させていただきました。

 

今回のお客様のようにレンズの重量が重い方の場合、

フレームをどれだけ軽くしてもレンズの重量が変わらなければ、

メガネの前側が重たいのは同じです。

 

特に強度の遠視の方の場合、

フレーム選びを間違えると、どんでもない重量のレンズになってしまいます。

レンズを少しでも軽くする、

そのためにどんなフレームを選べば良いか?

そういう考え方が大事になってきます。

 

お店にお越しいただければ、こんな感じで

レンズの厚みや重量などをシミュレーションすることも可能です。

分からないことがあれば、気軽にスタッフにご相談下さい。